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クレバスと炸薬亭

映画や本、お芝居などのレビューを中心にやってくよ。

ロッド&リールの巻(レビュー)

ぶんにゅうううう(パペラキュウ)

パペラキュウ 松永豊和のパペラキュウはいまだ未完、現在もネットで続行中である。 傑作の呼び声高いが、私もそう思う。加えて彼のHPにある「邪宗まんが道」を合わせ読むと何かがカチリとハマる。 そうか、と納得する。 納得されたのは、こういう漫画を描く…

長駆8000マイル(駆け込み女と駆け出し男)

魍魎の匣以来観ていなかった原田眞人監督作品。 kakekomi-movie.jp 大泉洋、満島ひかり、戸田恵梨香、樹木希林、堤真一など、豪華キャストで繰り広げる時代劇です。ただ題材が渋い。離婚したい女が駆け込むシェルターのような寺東慶寺での騒乱が描かれる。 …

ディストピアの完成(3%)

またまたNetflixもの。 けれど、映画ではなくドラマ。しかも未来もしくは平行世界のブラジルというかラテンアメリカが舞台らしい。 アマゾンのあたりという説明が作中一度だけあるのと、話してる言葉がどうやらポルトガル語だというのだけはわかる。 貧しい…

PK 神様神様神様

昨日の記事で取り上げた『この世界の片隅に』は個人的2016年・映画ベスト2でした。 ベスト1はと言えばコレです。 pk-movie.jp インド映画の金字塔『きっとうまくいく』のラージクマーリ・ヒラリ監督。そして主演も同じくアーミル・カーン。 このコンビ…

誰かの続きを続ける。(この世界の片隅に)

評判を聞きつけて行きましたとも。 片淵監督の短い談話からはじまる映画はとても濃密で鮮烈なものとなった。 「誰かの代わりを生きることはできなくとも誰かの続きを生きることはできる」 鑑賞後、ふと浮かんできたフレーズである。 ”笑顔の入れもの"になり…

群盗

TSUTAYAの5本1000円レンタルで借りたのは、 フォックスキャッチャー 群盗 バードマン 6歳のぼくが大人になるまで ウォーリア の5作品。 いつも同時に借りてくる映画にはテーマは共通しているものが多い。 今回の『ウォーリア』と『フォックス…

風の馬

『ルンタ』はチベットのドキュメンタリー映画です。 中国に侵略されたチベット人の焼身自殺が相次いでおり、その背景を描いている。 ダラムサラのチベット亡命政府で建築家として働いているらしいナカハラさんという方をガイドにまつわる人のインタビューな…

神様とぼくら

へい。 こんばんわ。どみにくです。 本日は『GODUS』というゲームを紹介しようと思います。 今後じわじわ来ると思います。っていうかもうキテる??? これ、いわゆる神ゲーというやつなんですけど、神のごとく素晴らしいというわけではなく、、、 その…

バカ野郎どもの三位一体

立て続けにインドを舞台にした映画を観ました。 『きっとうまくいく』 『ダージリン急行』 の二本です。 映画にはいろんなタイプがありますが、おおまかに二つにわけることができると思います。 この世界はホームか、それともアウェーか。 世界を包容性のあ…

ピダハン

アマゾン流域の先住民の村に、宣教師として赴いた著者。 そんな人物の悪戦苦闘と発見の記録です。 学者でもある著者の言語学的な考察もふんだんにあり、「ことば」ってなんだろう? という素朴な疑問に立ち返られせてくれる。 まず結論から言うと、彼の布教…

原子変換と聖なる山

ホドロフスキーの『ホーリーマウンテン』を観ました。 これで『エル・トポ』と『リアリティのダンス』、それに『ホドロフスキーのDUNE』とホドロフスキーに関わる作品は大体カヴァーしたことになります。 初期の短編と長編第一作『ファンド・アンド・リ…

液体窒素の哄笑――ゴーン・ガール

ベン・アフレック主演。監督はデヴィッド・フィンチャー 友よ、こいつはマズイでっせ。あなたが未婚なら結婚意欲が骨まで削がれることでしょう。既婚であらなら、同じ寝室で眠っている隣の「誰か」が……そう、文字通り得体の知れない、理解の及ばない誰かであ…

蛇の誘惑――プレイ・オブ・コンシャスネス

かなりディープなインド・ヨガ本である。 著者のムクタナンダ師匠はシッダヨガの伝統を伝える有名な方であるらしい。瞑想や霊的な体験にウェイトを置いていて、数ある聖者の自伝とはちょっと毛色が違う感じだった。 人間的なドラマを期待する向きには食い足…

孟嘗君

戦国四君のひとり。「鶏鳴狗盗」の逸話で有名な孟嘗君の小説です。 作者は宮城谷昌光さんですね。この方の作品ははじめてだったんですけど、古代中国を題材にした作品を多く書いてらっしゃるよう。 僕は孟嘗君には興味があったんで、とても面白く読めた。食…

麻薬王におれはなる!(ドン!)

海外ドラマ『ブレイキングバッド』にハマり中。 24も最後まで観る根気がなかったが、これはラストまで完走する気がする。肺癌で余命2年を宣告された化学教師が家族に金を残すために覚醒剤を製造する話。 バカ真面目な人生を歩んできたおっさんが、人生の…

PEACE(ジーン・ウルフ)

『新しい太陽の書』で有名なSF・ファンタジー作家ジーン・ウルフの最新翻訳作品『ピース』読了しました。 ウルフは非常に細密な作家で至るところに仕掛けがほどこしてあって、一度読んだだけでは味わいつくせない魅力がどの作品にもある。 信用できない語…

アニメ映画ベスト10+1

大人でも楽しめる・大人になってしまった今だから懐かしい極私的アニメ映画ベスト10+1 風立ちぬ 絶滅寸前の愛 ベルヴィル・ランデブー 癖があるのが癖になる。セリフ無。 AKIRA 2020年東京オリンピックへ向けた破壊と再生 MINDGAME 一昨日見たばかり…

ゴジラは気にくわねー

ハリウッド版『GODZILLA』の感想を述べようと思う。 ネタバレありかもです。ご注意。 まず、CGを使ってあえて着ぐるみを中から人が動かしているような倒錯的な運動感を出したというあたり、東宝ゴジラへの目配せというかリスペクトがあって素晴ら…

無神論者の地獄めぐり

『ホドロフスキーのDUNE』そしてホドロフスキー監督23年ぶりの新作!『リアリティのダンス』を見てきた。 ドキュメンタリーの前者は見てもらえばわかる。と思う。 実現しなかったSF大作「砂の惑星DUNE」がどれだけ後世に影響を及ぼしているか、…

ピンポン

アニメのピンポンを観終わった。 原作大好きなだけにアニメも楽しみにしてたけど、予想以上によい出来だった。独特の絵のタッチもかなり忠実に再現されてたんじゃなかろーか。 窪塚洋介主演の実写版もよかったし、どれもハズレなしとは幸福な作品でしょう。 …

プリズナーズ――独房でないのなら

これは傑作ですね。 ただし、重くヘヴィーな内容かつ、上映時間もけっこう長いので覚悟が必要です。 あらすじとしては、感謝祭で隣人の家を訪れたケラー一家は、くつろいでいるうちに、自分の娘のアナと友人の娘ジョイが見当たらないことに気付く。 そこから…

西の果てへ――ゲド戦記研究

「われわれは自由を選んだ。人間はくびきを選んだ。われわれは火と風を選んだ。人間は水と大地を選んだ。われわれは西を選んだ。人間は東を選んだ」 ここで「われわれ」と名乗っているのはドラゴン。 ゲド戦記の世界のみならずファンタジーの代名詞ともいえ…

許す力――カンタティモール

先週観た『アクト・オブ・キリング』に続き、インドネシア絡みのものです。 なぜか最近戦争や虐殺拷問といったネガティブなものに触れる機会が多いです。 今回は自主上映会で行きつけのお店のビルで6Fで上映された『カンタ・ティモール』という映画。 東テ…

アクト・オブ・キリング

インドネシアの虐殺についての映画。60年代に起きた赤狩り、つまり共産党弾圧の実際に起きた事件のついてのドキュメンタリー。 この時、多くの華僑や華人も共産党員として疑われ、拷問にかけられ、殺されたようです。そして当時の加害者たちは現在もインドネ…

ここどこなにそれ?

「geoguessr」というゲームを友人に教えてもらいました。 googleのストリートビューのどこかにランダム放り出されて周囲を散策してそこがどこかを探すというもの。 ミャンマーだと思ったら南アフリカだったり、オーストラリアだと思ったら南アフリカだったり…

最下層まであとどれくらい?

これは素晴らしい作品です。ほぼ個人製作だからというから驚き。4年の歳月をかけての労作です。しかも処女作というのですから、さらにびっくりします。 まずはお時間のある時に見てもらいたいですね こういうSF的な設定は大好きです。 超格差世界っていう…

ゼロ・グラビティ/三界彷徨

成田の映画館で観た『ゼロ・グラビティ』です。 宇宙パニック&サヴァイバルものです。もちろん見所はタイトル通り「無重力」の世界。 0Gだね。僕らが地上を闊歩しているとき自重が60kgなら60kg分の重みを背負うというのが1Gの状態。 レーシング…

ヘルボーイ・ゴールデンアーミー/弾かれ者の数え歌

アウトサイダーの物語も、ここまでくると、人間ではなく、あいつらに肩入れしたくもなる。 あいつらとはあの愛くるしいモンスターどものこと。異世界からはみ出て人間と交わったものの、やっぱり村八分にされてしまう。 まぁ、妖怪人間ベムのテーマでもある…

言語都市/ゲンゴの死

ひじょーに込み入った設定のSFであるので、説明の不備を覚悟して頂きたい。 チャイナ・ミヴェル『言語都市』 これはどんだけ未来なのかわからない未来のストーリーなのであるが、人類らしき生き物は他の星に移り住んでいる。そこにはホストとかアリエカ人…

凶悪/悪人崇拝

凶悪!!!!! パンチのある映画です。キャスティングの妙が光る。というかもはや反則に近いヤバさ。 山田孝之の記者藤井が思いつめて、煮詰まって、正義と使命感という狂気の淵に落ち込んでいくのを見つめる、これはフリーフォールのような映画です。 もち…

親鸞/河原者哀歌

今回の見切り発車レビューは五木寛之『親鸞』です。 なぜ見切り発車かというと、これはまだ完結していないうえに、文庫本の最初に一冊を昨日読み終えたばかりだからです。親鸞の若き時代は、後白河上皇の院政に重なるのですね。 この物語、かなりのフィクシ…

達人伝/変人図鑑

僕の好きな王欣太の新作で出てたので新幹線のキオスクで購入。 先日の東京行きのホームでのことです。1・2巻をまとめて買って、おかげで車内での暇つぶしになりました。 内容は春秋戦国時代もの。舞台はもちろん中国です。秦の台頭で、中華世界が統一され…

クローズ1・2/ポケットの中の戦争?

ガンダムのシリーズに「ポケットの中の戦争」というOVAがある。 昨日、何の拍子にか続けて観てしまった「クローズ」映画版について、これ以上ふさわしい言葉はないように思える。彼らは校内で、あるいは校外でも、ただ赴くままにケンカを繰り返す。 よう…

ターナー展

所用で東京に出ましたので、かねてから観てみたいと思っていた画家ターナーの展覧会に足を運んできました。 ウィリアム・ターナーは、18世紀から19世紀をまたいだ時代を生きた画家です。 前に記事にしたこともあるのですが、天性の画家としてのいろいろ…

地獄でなぜ悪い/屍パラダイス

なんとこれ実話ベースだというから驚きである。 ストーリーはざっとこんな感じ、 と説明したいのだが、意外と面倒だ。入り組んでいるのです。 まず抗争を続ける2つの組がある。そのひとつの組の組長の妻が友近さんで、彼は組長不在の家を守って、刺客をほと…

ウィンターズ・ボーン/凍てつく波動

今日は昨日のウォッチメンといっしょにレンタルしてきた『ウィンターズ・ボーン』です。 なんというかくすんだ山間の世界で物語は展開されます。ヒロインの父親は何やら罪を犯したらしく家にいません。母は現実に打ちひしがれて正気を失っています。狂ってい…

ウォッチメン/ヒーロー不在につき、伝言をどうぞ

ウォッチメンです。 コミック版はずっと以前に読んだのですが、映画もよかったです。ほとんど原作に忠実な作りでオチを忘れていた僕にも新たな発見がありました。 ヒーローが普通に歴史に関わっているパラレルワールドでのストーリーです。 しかし、ヒーロー…

神の数式

NHKスペシャルで「神の数式」を観ました。 第一回だけで二回は見逃してしまったことが悔やまれます。そこには素粒子の世界から大宇宙まで、言うなれば森羅万象のすべてをカヴァーするひとつの定理を求める科学者たちの希求があります。 万物理論=セオリ…

28日後&週間後/怒りの果ての薄明かり

ゾンビ映画を観てみよーと思いまして、まずはこのシリーズを。 最初のはダニー・ボイル監督、後者はファン・カルロス・フレスナディージョという監督が撮っております。 まずこれはゾンビ映画なのかどうかもよくわからない。ウィルスに感染して、ひどく凶暴…

ピーチツリー・ストリートの散歩(マリソル)

薩摩騒動記の最後の方に出てくる霧島アートの森にあった『ピーチツリーストリートの散歩』という彫刻作品が気に入ったので、作者のマリソル・エスコバルというベネズエラ人の作家について調べてみました。 ネットにも日本語の解説はあまりなく、作品の画像も…

スタートレック・イントゥ・ダークネス/出来の悪い発明品を

スタートレックの新作を観ました。 シリーズはあまり詳しくないのですが評判良だったので、観てみたら、これがなんというかすごくよかったです。 バルカン人ってのがどういう人種なのかがスッとわかるエピソードが冒頭にあり、あとはその世界観の葛藤と融和…

ヤバい経済学

ヤバい経済学!!! 経済学者スティーブン・レビットとジャーナリストのスティーブン・タブナーの共作である著書がもととなった映像です。 これは最高です。経済と銘打ってますが、もっと幅の広い人間それ自体への考究となってます。 付けられた名前によって…

パイフィック・リム/夢の夢の夢の!

中二病というより小三魂に火をつける夢のロボット&怪獣大作映画『パシフィック・リム』観たぜ! ずーーーーーーと観たかったのだが、ようやく上映終了間際に滑り込みで観れた。それも3Dなんでかなり迫力がありました。 大満足、もう細かいとこは言いっこ…

パンティ&ストッキングwithガーターベルト

えーといきつけのバーのマスターにおススメされて見てます。 パンティー&ストッキングwithガーターベルト かなりひどりアニメです。下ネタ満載で子供には決して見せられません。アメリカのカートゥーンアニメっぽい作りですごく可愛いんですが、決めシーン…

進撃の小人

ようやく進撃の巨人最新11巻を読むことができました。 最寄の本屋に行っても品切れだったのですが、武術の先輩が購入していることを知り、貸してもらえることに。 今回はバトルあり、相変わらずの謎ありで動と静が前後半でぴったり分かれた巻になってまし…

賭ける仏教/0に落ちるルーレットの玉

高村薫の『太陽を曳く馬』を読んでいます。 今年一番の読み応えのある作品かもしれません。オウム真理教の事件、そして9・11と時代の流れの中で人間の精神性の変貌と、またその不変性を問うた作品です。 禅宗をはじめとする仏教や、ヨーガに連なるインド…

パンズ・ラビリンス/美しい暴露

パシフィック・リム絶賛公開中のギレルモ・デル・トロ監督作品『パンズ・ラビリンス』 残酷なファンタジーです。少女の幻想の外には、それを取り巻く血生臭い現実があります。 軍事独裁政権化のスペインの田舎で繰り広げられる軍とレジスタンスの攻防。 司令…

CARGO

レビューというか紹介です。 CARGOという7分ほどの作品です。ジャンルは……「ゾンビ映画!」 しかし、感動的なゾンビなのです。どういう話かというのは、あまり話さないほうがいいでしょう。 ショートムーヴィーのあらすじ紹介=ネタバレのきらいがあり…

ジャンゴ/農場爆破の作法

なぜかよくわかりませんが、アクセス数が新記録です。 お盆に入って時間のある方が増えたのでしょうか。こんな辺境のブログにまで迷いこんで頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。 TSUTAYAで『ジャンゴ』がレンタル開始されてたので借りてきました。タ…

ミスト/狂信者たちは滅びない

問題作『ミスト』です! ご覧になった方も多いのではないでしょうか。衝撃のラスト15分!!! 確かに衝撃です。この映画ほどネタバレの危険度が高いものも珍しいのですが、なんとかそこを迂回して語りたい。語れるか? そこを置いたとしても、スティーブン…