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クレバスと炸薬亭

映画や本、お芝居などのレビューを中心にやってくよ。

解放なき改法

児童ポルノ法が改正されるらしい。

そこに盛り込まれた条文はかなり恐ろしいものになっている。

もともとの「児童に対する性的搾取及び性的虐待」を防ぐ目的での法案から、どうしたら、こうした退行的な思考へと落ち込んでしまったのか。そこらへんが感動的なほどよくわからない。

この法案では、児童ポルノを所持している可能性のあるすべての人(ネットに接続されたPCやスマホを持っているすべての国民)に家宅捜索が行えるというものだ。

そして、その際に別の犯罪やその証拠が発見されれば、当然逮捕できる。

つまり疑わしい人間には、児童ポルノの捜査と口実を作れば原理的にほとんどすべての国民の生活に踏み込めるというわけ。

なかなかの恐怖社会じゃないだろうか。

児童ポルノという憎むべき犯罪、誰もが口を揃えて断罪するほかない罪とその裁きに便乗して、権力の肥大化が進行。すげーよね。

マンガやアニメにも多大な被害を与えるこの法案の詳細については、もっと詳しいページがたくさんあるので、それを読んでほしい。

それにしても、自分が属してしないグループや思想に対する人間の非寛容と無関心いうのはけっこう恐ろしい。禁煙が成功したとたん喫煙者を狂人扱いできたり笑

マンガやアニメなど、いわゆるオタク文化に興味のない人は、それがどんなに壊滅的な打撃を受けてもかまわないだろう。でも、その非寛容の刃はいつか自分の方は向く。それが世の常だよね。

橋下市長が、伝統芸能の文楽や、公務員のタトゥーに温かみのない対応したとき、文楽やタトゥーの愛好者でなくとも、その非寛容ぶりに警戒を抱くべきだったのだ。自己の価値観をそのまま政策として押し出せるとしたら、それは政治家ではなくて王や皇帝の所作に違いない。

僕らは自分がそこに属していない場所、そこで寝食しない場所をこそ守らなければいけない。

それは、魔女狩りの時代に魔女と目された女を庇護したり、ナチス政権下にユダヤ人をかくまったりするほどの危険ではまだない。

むしろそうした時代を招来しないために、いま、そうしなければいけないはずだ。