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クレバスと炸薬亭

映画や本、お芝居などのレビューを中心にやってくよ。

死に死に死んで生の終わりに冥し

モトクロスライダーの友人が言っていた話だ。

エアバックやABSシステムを搭載した昨今の自動車、安全性は増したのだが、さて死亡率は低下したか、というと。

実は変わっていないらしい。

なぜだろうか。人間というのものは精妙な意識構造を持っていて、無意識に危険を算出できるのだそうだ。そして、そのギリギリまでを楽しむ動物なのである。

自動車の安全性が増せばますほど、その増した分だけ無茶な運転をしてしまうことになる。

で、結局のところ、いつも一定の割合の人が死亡してしまうわけになる。

またもっと大きな枠組みで見ると、医療の発達で病死の可能性は軽減されたが、その代わり交通事故という過去にはなかった死亡要因ができた。

交通事故での死亡率は、落馬で命を落とす江戸期の人間より遥かに多いはずだ。

どうも人間は死を克服したがってはいないようだ。個人としては不老長生を望んでも種としては、それを欲していないように思う。当然だよね、古い世代が消えていかなかれば種としての更新が閉ざされるかんね。

不謹慎にも、生を厭い、死を愉しむ。それがヒューマン・ビーイング。我々ガチホモ・サピエンスなのである。あーこわ。DNAは生と死の両方をシグナルを発し続け、どちらに耳を傾けるかはあなた次第。

ま、こんな話をするのも、シナリオの授業をしていてですね、現代のドラマにおいて、健康で一般的な人間を伏線も前振りもなく突然死させるにはどんな方法がいいか?という設問をしてみたわけなんです。

交通事故死はありだ。月9に恋愛ドラマにでもそれはあっておかしくないし、事実、路上において多くの重要人物たちは散ってきたのだ。イタリア料理のマンガ「バンビ!」でもいきなり誰か死んだよーな気がします。

落雷による感電死はどうでしょう。唐突感がいなめない。山間のゲレンデが舞台であるとか、高所作業員が主人公であるとか、そういった伏線があれば可かも。

サソリによる毒死。ショッキングすぎるホラー映画によるショック死。気持ちよすぎるHによる腹上死。

ないない。少なくともぼくにはそんなふうにキャラを抹消する勇気はない。

ドラマでメインキャストがこんな死に方をしたら、思わずテレビひっくり返すよね。

普通、突然死といえば交通事故。百歩譲って通り魔くらいが相場である。

最近特撮ヒーローもので最終回レッドとピンクの結婚式に向かう途中ブラックが通り魔に刺されるも、そのまま苦悶に耐えつつ二人を祝福、その後、公園のベンチでひっそり息絶えるというのがあったらしい笑。かなりの力技だと思う。

重ね重ね不謹慎になるが、万人に開かれた死に方ってわりと少ないのです。

交通事故死のなかった過去の時代、物語作家たちは、どうやって人をぽっくり逝かせていたのだろうか?

ありえそうなのは、呪詛とかTA・TA・RIとか天罰といったスーパーナチュラルな方法である。これは逆に現代には使いにくいよね。

う~ん。

(フィクションでの)人間の上手い殺し方あったらご教授願います。

PS そういえば昨日、このブログ開設以来最大のアクセス数を記録しました!!!こんなまとまりも節操もないブログにわずかなりとも読者がいてくれることにめくるめく感謝であります。

あんど、

次回予告 明日はデヴィッド・クローネンバークの息子ブラントン・クローネンバークの映画『アンチ・ヴァイラル』のレビューです。今日観にいきまっす!