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クレバスと炸薬亭

映画や本、お芝居などのレビューを中心にやってくよ。

液体窒素の哄笑――ゴーン・ガール

ロッド&リールの巻(レビュー)

ベン・アフレック主演。監督はデヴィッド・フィンチャー

友よ、こいつはマズイでっせ。あなたが未婚なら結婚意欲が骨まで削がれることでしょう。既婚であらなら、同じ寝室で眠っている隣の「誰か」が……そう、文字通り得体の知れない、理解の及ばない誰かであることをはっきりと想い出すでしょう。

そんな映画です。

思えば自身の監督作である『ゴーン・ベイビー・ゴーン』から、ベン・アフレックは失踪ものに縁があるようだ。

今回ゴーンしてしまうのは、タイトルにあるように最愛の女である妻ロザムンド・パイクです

主人公の妻である彼女は21世紀のヤバイ女として、氷の微笑シャロン・ストーンと並んで確実に語り継がれる存在になるんじゃないかな。

悪の法則のキャメロンディアスもよかったけど、あれはもう最初からスーパーサイヤ人状態で登場したようなもんで変身の醍醐味はなかった。

比べて今回のロザムンド・パイクはまさに作中のある瞬間、とてつもない化け物に脱皮する。このあたり恐ろしさと楽しさが併走するあたり(まさにドライヴの場面だったりするのだが)さすがのクオリティですねフィンチャーさん。

シャロン・ストーン氷の微笑だとすれば、今回のロザムンド・パイク液体窒素の哄笑。哄笑する場面はないが、スクリーンに極低温の高笑いが響き渡っているようで本当におそろしい。

あまりの恐ろしさに僕は友人たちに夫婦で観に行くことを勧めまくった。絶対に気まずくなること請け合いだからである。

ネタバレはおろかあらすじさえろくに説明してませんが、少しでもヤバさが伝われば幸甚であります。