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クレバスと炸薬亭

映画や本、お芝居などのレビューを中心にやってくよ。

長駆8000マイル(駆け込み女と駆け出し男)

ロッド&リールの巻(レビュー)

魍魎の匣以来観ていなかった原田眞人監督作品。

 

kakekomi-movie.jp

 

大泉洋満島ひかり戸田恵梨香樹木希林堤真一など、豪華キャストで繰り広げる時代劇です。ただ題材が渋い。離婚したい女が駆け込むシェルターのような寺東慶寺での騒乱が描かれる。

 

この時代、女性側からの離縁は許されていなかったと作中説明される。そこで虐げられた女性たちの緊急避難場所としての東慶寺(お山)が最後の拠り所となるわけである。

 

物語では相当複雑な何組かの夫婦の事情が取り上げられる。

 

誰もが悲しい境遇であるわけだが、そこに新米医者であり戯作者志望の男である進次朗が現れる。大泉洋の好演が光りまくり、ともすれば暗い話になりがちなこの映画を救っている。

 

途中わからなかったのが東慶寺の隠し部屋のシーンである。あれは隠れキリシタンのマリアがあったのね。つまり、東慶寺の一番偉い人は仏教徒ではなく、キリシタンだったというわけだ。

 

ふーむ。そのあたりは個人的にはもっと掘り下げて欲しかった部分だ。確かに修道院長のような佇まいだったもんなあの人(役者名も役名もわからない笑)

 

あと、江戸の時代に想像妊娠という症例を扱うというところも興味深かった。大泉洋が直してしまうのだが、なんだか悪魔祓いのようで気になったなぁ。現代の想像妊娠はどうやって対処しているのだろうか。江戸にも症例はあったのかなぁ。

 

ちょこちょこと気になるとこはあった。でも、それはわたしの嗜好ゆえにもっと突っ込んでくれと思う場所で、作品としてのバランスは素晴らしいのではないでしょうか。

 

おぎんと堀切屋の関係は素敵だった。「粋ではなく徒」ね。

 

武田真治のダメ夫役もなかなかよかった。美形のダメキャラはあまり説得力がない場合とダメさ倍増のパターンがあるが、今回のダメ倍増パターン。よかった笑 後半の更生して社会復帰する場面、がっかりと感動が平行して押し寄せてきたよ。

 

うん、曲亭馬琴の刻苦もよかったね。作家の鑑だ。名作の誕生の裏には苦悩があるのだ!!! 

 

多くのエピソードが盛り込んであってお腹いっぱいだけど、これは好きな時代劇に入ります。いいなぁ江戸。